ベテランエンジニアの嘆き節

システムエンジニア一筋!

技術屋稼業にチョッと疲れたかな

卒業して今の会社に入って既に30数年経っている。
電機には自信満々で入社し、己の実力を実感して落ち込み、其れから脱してからでも30年超の時が過ぎている計算だ。

システムエンジニアって自分を称するにはマダマダ実力不足だと思ってはいるが、色々な仕事に従事して来た実績が私の勲章だ。

今は管理職になり後方支援的な立場となり、最前線で極限状態になりながらの作業をしなくなったが、まだまだ体が疼くのは若い証拠だと思う事にしている。

脂が乗り切っていた頃に潰れた先輩の代理で対応した海外のあの案件は辛かったな。
機械屋さんの数年掛かりのプロジェクトに後追いで、立ち上げ2年前から参加する事になったんだけども、未知の技術導入で本当の苦労しました。

何せ、自社の制御器でなく客先指定の競合他社での挑戦だったからね。
先輩が体を壊したのも頷けました。
自社製品ならば難なく超えられる障害を不慣れな他社製品でクリアするは至難の技でした。

そんな注文を請けなばならなかった我社の窮状を理解していたからこそやれた仕事だった。

問題なく現在もあそこが稼働しているとの話を聞けば少しは嬉しくは思うけど、20年以上経過した今では、あんな苦労をせずとももっと精度良く制御して出来たのと寂しくもなりますけどね。

中学校で手にした短波受信機から始まった電機屋稼業。
試運転をやる度に機械屋の方が性に有っていると感じながら電機屋で此処まで来た。
己の腕のみで窮地から脱した成功体験が気持ちを高揚させる反面、とことん追い詰められた時の記憶がその時の恐怖感と共に蘇り私を責め立てる事が有る。
何年も前の事でうなされ、夜中に飛び起きるなんて寂しいよ。

さて、残り少ないであろう現役生活を如何過ごそうか。
若い優秀な技術屋さんを束ねてはいるが、もう私の持っている技術は錆び錆だ。
皆より圧倒的に多い経験値も技術革新の前では脆く霞んでしまう。

お飾りの技術部長から離れ、新しい住処に再就職を考え始めている。
老いた色褪せた技術しか持たない爺さんシステムエンジニアは去るべきなんだ。
私の歳以上の方が現役バリバリでやっている事は知っているが、物の違いを認めざるを得ない。悔しさを紛らす酒に溺れている様な奴には居場所がないのだ。

過去の栄光なんてない。
しかし街を歩けば見る機会が減ったとしても、私の手掛けた機器が未だ有るじゃないか。
でも「だから何なの」って言葉も同時に聞こえる。
そうなんだ、己の実力を正確に判定出来なくてはならない。
そして「老兵は死なず、去り行くのみ」とカッコ良く言い放って退場せねばならないのだ。

うだうだ書きながらも、この結論がもう出ているんだ。
醜態を見せる前に鮮やかに消えて見せよう。
フリーランスエンジニアになるには十分な経験もある。また、もし他に拾ってくれる所が有ればそこで再挑戦するのを前提にね。